マヒロ

フレンチ・コネクション2のマヒロのレビュー・感想・評価

フレンチ・コネクション2(1975年製作の映画)
3.5
NYでは取り逃した麻薬王シャルニエ(フェルナンド・レイ)を追い単身フランスのマルセイユへとやって来たポパイことドイル刑事(ジーン・ハックマン)だったが、元々のぶっきらぼうな性格もあり現地の警察には馴染めず孤立してしまう。更に、ドイルが自分を追って来たことに気づいたシャルニエは、部下を使ってドイルを捕まえ妨害を試みる……というお話。

『フレンチ・コネクション』の続編。
前作はウィリアム・フリードキン監督作品で、寒々しいNYの街で繰り広げられるシャープな追走劇とちょっとしたユーモアが魅力の作品だったが、今作では監督がジョン・フランケンハイマーに交代しており、より泥臭いハードなアクションになっている。個人的には前作の雰囲気の方が好きだったが、こちらはこちらでまた違った空気感があり面白かった。ただ、相棒もいなくなりドイルのいきすぎた捜査には歯止めが掛からなくなってきており、終始暴走を続けるので若干観ていて辛い場面も無くはない。

前作の見どころといえばあちこちぶち壊し周りながら走るカーチェイスの場面だったが、今作のクライマックスでは乗り物では無く自分の足でシャルニエを追う形になっており、巨体を揺らしてゼーハー言いながら港町をめちゃくちゃに駆け回るドイルの様子は何とも言えない迫力があった。その追いかけっこの末に迎えるエンディングは、ちょっとビックリするくらい切れ味が良くて感動すら覚えた。善悪の彼岸を超えて犯罪者捕獲マシーンみたいになっていたドイルが迎える結末としてはこれ以上ないもので、フランケンハイマー監督はやっぱり信頼出来るなと再確認。

(2022.179)
マヒロ

マヒロ