Genichiro

光る女のGenichiroのレビュー・感想・評価

光る女(1987年製作の映画)
3.8
冒頭、ゴミ山のてっぺんで歌う女とピアノ。やはりATG(もっと言うと寺山修司)風味だなあ。地下格闘技シーンもしかり。そういうものと無縁だと思ってたから不思議だ。めちゃくちゃな製作費でディレカンを追い詰めたと言われる今作。オーディションしたけどうまくいかず、プロレスラーをキャスティングしたくて新日を見に行って武藤を発見したという経緯がすごい。(しかも候補の一人に前田日明も上がっていた)冒頭もすごいがヒロインのキメセクを覗き見してしまった後の高架下?での長回しシーンの異様さはすごい。「俺の嫁になってくれや」とまるで自分にしか聞こえない声のように呟きながら女を追いかけ回す武藤敬司が凄まじい。ちなみに武藤敬司の数少ない異種格闘技戦が見れる貴重な資料でもある。(なんか拳法の使い手みたいなやつと戦って溺死させる)意味不明だしこの尺ですら長く感じる。ラストの長回しからのバク転。アホなんじゃないか。何に付き合わされてたんだ。とにかくめちゃくちゃな映画だが膝を故障する前の武藤敬司の身体能力がとんでもないので、他の相米慎二作品の人工的な作りではあり得ないようなこれまた異様な実在感があってそれだけで見れてしまう。
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