まぐ

クローバーフィールド/HAKAISHAのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

面白かった!
ハンディカムの怪獣もの、という掘り下げればそれだけで面白いテーマを掘り下げて、主人公たちを無理のない理屈で追い詰めていくのがよかった。



一般市民目線ということで怪獣を常に映すわけにはいかず、それをフォローするミニ怪獣というアイデアもよかった。
ただ一方で、怪獣のデザインや設定の中途半端さは気になった。
あまり怪獣のビジュアルを見せない方向性なら最後まで徹底して欲しいし、見せるならなにか分かりやすいアイコン(ゴジラでいう背中、ジョーズでいうひれみたいなもの)があればもっとキャラが立ったと思う。ミニ怪獣に噛まれたら終わり設定も単発でしか機能していなかった。
同じく、主人公たちのキャラ立ちも中途半端...リアリティーを出すためかもしれないけれど、全体的に少し物足りなく感じた。
物足りないと感じたのは、イベントの数の問題もある。普通の映画よりカットが極端に少ないこの映画は、面白いシーンだけを詰め込む、というのが難しいだろうと思う。仕方のないことだけれど、カットで時間を跳びまくれる普通の映画より起こる出来事は少ないためそのぶんカタルシスも大きくない。


パッケージにもなっている、自由の女神の首を開幕早々ぶっ飛ばすのは面白い。


好きなものは何があっても守れ、というのが兄の遺言にもなっているのが、ロブがとにかく諦めない説得力になっていてよかった。


ハンディカム撮影ということで、被写体とカメラの間に逃げ惑う人々が映るカットが多いが、混沌とした状況が伝わってきて「ならでは」の面白さだと感じた。
しっかり見ていないとはぐれてしまいそうな、祭とかのあの感じがよく出ている。


何気に一番凄いと感じたのは序盤の電器屋。
混乱に乗じて家電を盗む人々を描きリアリティーを出す、テレビで状況を認知する、ケータイを手に入れ連絡を取る、という一石三鳥の舞台設定だった。
まぐ

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