こたつむり

おとなのけんかのこたつむりのレビュー・感想・評価

おとなのけんか(2011年製作の映画)
3.8
子供同士のケンカの収拾に親同士が話し合う…と、子供を持つ親としては他人事に思えないような作品。舞台はマンションの一室という密室劇です。密室劇は僕の大好物。いただきましたん!

しかし『おとなのけんか』とは言い得て妙な邦題ですよね。子供の親としての“おとな”とも取れるし、社会に対しての“おとな”とも取れますからね。原題は『虐殺』だったそうですよ。うひぃ。あちらの方が考えることは恐ろしいですな。

ところで“おとな”のけんかとは“対話”ですよね。決して腕っぷしで決めるものではなく、“対話”の中での駆け引きや相互理解で妥当な着地点を求めるもの、ですよね。
そこで一番大切なのは、他人との“違い”を理解し、許容すること。
自分の意見を押し付けたり、自分色に塗りつぶすことでもなく。

そして、それを模索するときに必要なのは一定の礼儀作法ですよね。
事態が収拾するまでは相手の悪口は言わない、とか。相手の発言を受け入れてから発言する、とか。当たり前のことだけど、頭に血が上っていたり、自分の足元しか見えていなかったら忘れてしまいそうなこと。つまり、“おとな”には余裕が必要と言うことですね。
うん。これらがうまく出来る“おとな”目指して頑張っています。

でも。
“おとな”って面倒くさいですよね!
僕なんて頭の中身は十代後半くらいで止まっているような気がするんですけどね!

しかし、自分に子供が出来たら“おとな”にならなきゃいけなくて。そして、“おとな”であるからこそ。子供から受け取るものがとても大きいものだと気付くのだと。そう思います。

ということで。
映画の中で現実を思い出すのは嫌だ、なんて思う方もいらっしゃるかもしれませんが、小学生低学年以下のお子さんがいらっしゃる方は予習だと思ってご覧になったら如何でしょうか。
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