ほわいと

おとなのけんかのほわいとのレビュー・感想・評価

おとなのけんか(2011年製作の映画)
4.3
クリストフとケイトの演じる夫婦はいつになったら家を出るんだろうかと思っていたら、これが全然出ない(笑)
夫婦が帰ろうとすると家に留まる、というのが繰り返されたのでやっと密室劇というのが分かった。
最初は夫婦お互いが穏便に息子同士のけんかの始末を済まそうと考え、すぐさま事態は収束されるかと思われたがしかし…というようなお話。
序盤の終わりの方である事がきっかけで物語が一気に加速する、やりやがったな、という感じ…本当にびっくりした。

全体的に凄く面白かった!ほぼノンストップで台詞が飛び交うので、始まりから終わりまで目が釘付けになった。
しかもクリストフの場合は携帯電話をひっきりなしに使っているので喋りまくり(笑)
でもラストが唐突過ぎたかもしれない。
もう少し面白く出来たと思う、時間も短いので。
しかしながら、あの唐突なラストも短いところもスッキリしていて、それはそれで良いんだろうとは思う。
でもやっぱりまだもう少し観たかった!
個人的にはあともう一つスパイスが欲しい気がしてしまった…うーん。
逆に言えば本当に飽きずに楽しむことができたし、まだまだ観れた。

密室劇なので脚本もさることながら、役者の魅力もたっぷり味わえる映画になっています。
クリストフ・ヴァルツはイメージ通り終始クールかつ皮肉屋で役に凄くハマっているし、ジョディ・フォスターはキレた演技が力強すぎて笑える(笑)

「おとなのけんか」って当然こどもの頃より複雑です。
「おとな」になるにつれて様々なことが変化して、理想と現実の違いも分かってくるし、日々を妥協しながら生きて行く。
そんな「おとな」を描いた映画でした。