すずき

ギャング・オブ・ニューヨークのすずきのレビュー・感想・評価

3.1
19世紀アメリカ、NYのファイブポイント町。
アイルランド系移民のグループ「デッドラビッツ」と、アメリカ生まれのグループ「ネイティブズ」は抗争に明け暮れていた。(ネイティブアメリカンを差し置いて「ネイティブ」を名乗る所が英国白人っぽい傲慢さ)
デッドラビッツのリーダーであるヴァロン神父は、ネイティブズのリーダーのビル・ブッチャー・カッティングに殺されてしまう。
そしてヴァロンの幼い息子アムステルダムは、施設送りにさせられる。
十数年後、青年へと成長したアムステルダムは、ファイブポイントへ舞い戻り、街を支配するネイティブズに入り込み、復讐の機会を伺う…

摩天楼が並ぶNYの風景をデザインしたジャケ画だけど、南北戦争期が舞台の時代劇。てっきり、近現代のヤクザものかと思ってた。
時代考証とかはしっかりリアルにされてるらしいけれど、現代で言う所のスラム街に等しいファイブポイントの光景は、かなりファンタジー感あった。
それぞれ皆、ブルーリボンのシルクハットを付けたネイティブズのメンバー達。
抗争ではナイフやスコップやお手製の武器で武装するギャング達が入り乱れ、どつきあい殺し合う!
治安は最悪で、何処かで火事が起こると火事場泥棒を推奨する消防団、更には火事そっちのけで別の消防団と喧嘩し始める!
舞台劇の公演では野菜果物をぶち投げ、絞首刑もショー感覚で楽しみ、裏切り者への制裁シーンでも基本ハイテンションな当時のアメリカ人達。
あ、これファンタジー感というか、「マッドマックス」的世紀末感か。

映像は凄かったけど、ストーリーの見せ方、テンポが好みじゃないかな。
あと、アメリカの歴史や文化・思想にそんなに詳しくない私には、少し理解しきれていないよーな所も。
クライマックスの展開も、カタルシスが感じられる復讐劇!みたいな感じじゃなくって、無情感あるのも好み分かれそう。
あと、字幕が分かりにくい!と思ったら、やっぱりお前か戸田奈津子!