ryodan

ギャング・オブ・ニューヨークのryodanのレビュー・感想・評価

4.8
2017-01-29

D・D=ルイス主演。
M・スコセッシ監督作品。
ルイスの芝居は神がかってますね。「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」もすごかった。あの何を言っているか分からない訛りが、何とも心地イイんですよね。「マイ・レフト・フット」なんて、高校時代の自分では、全く聞き取れなかった思い出が。翻訳家さんはスゴイです。話が始まって、もう既にヤマ場。ルイス対ニーソンの正面衝突。アメリカ生まれに固執する集団とアイルランドの移民達との対決。話の内容は、まぁ、よくある話。って上から目線で言ってみましたが、要は普遍的な物語。父親が殺され、復讐を決意するも、相手に殺された父親の面影をダブらせて、最後は乗り越えていく。何がスゴイって、セットです。カットの少ない編集で、地下の巣窟から地上の街並みを流れるように見せるカメラワークに堪えられるセットの広さ。CGには思えないです。やりすぎかもしれませんが、これがクロサワ流なんでしょうね。「ゴッドファーザーPARTⅡ」やりたかったんじゃないのかな。やっぱあれだけのセットを組んで撮影すると、きっと役者がその気になるのも分かる気がします。印象的だったシーンは、もちろんルイスのパートですが、後半の同じ神にそれぞれ全く違う祈りを奉げるところ。あの編集は見事ですね。公開当時の時代背景とつながって、そちらの方に印象が先行し過ぎた感じを、思い出しました。あの何とも言えない空気感。既成事実に自分が追い付けない感じ。それがなかったら個人的にはもっともっと素晴らしい作品になったんじゃないのかなって思ってしまいます。
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