北斗星

アンタッチャブルの北斗星のレビュー・感想・評価

アンタッチャブル(1987年製作の映画)
4.5

当時映画館で観て、いつかまた観たいとずっと思っていた作品。


舞台やセットが素晴らしい!!

シカゴの街並み
ネスの事務所や、家族の住む小さな家
カポネの滞在するホテル
カナダとの国境。壮大な景観、まるで西部劇を彷彿とさせる馬に乗る4人と、騎馬隊
マローンのアパートメント
駅舎


人の殺され方、
特に、血を効果的に使っていて美しい。
この辺りが、やはりデ・パルマか。

デ・ニーロが食事時にバットでマフィアの頭をかち割るシーン。カポネの残酷さを物語っている。かと思えば、オペラを観て、人目もはばからず感涙する無邪気な一面も持ちあわせている。


アルマーニのスーツ。ただただ格好良い。

4人のチームも良かった。

正義感に燃える若きケビン・コスナー。当時の正統派イケメン。
鼻っ柱は強いが、射撃の腕はピカイチなイタリア系のアンディ・ガルシア。
事務屋のチャールズ・マーティン・スミスも、なかなかチャーミング。

そして、締めのショーン・コネリーの存在感が凄かった。


マローン(コネリー)が撃たれたあと、這いずってメッセージを遺すシーン、覚えてました。警官の鏡のような死に様。


クライマックスの駅舎のシーン。静止画のような細かいコマ割りが全て計算されており、一つひとつのシーンが丁寧で圧巻!!
アンディ・ガルシアが乳母車を膝で押さえ、上体を起こしながら右手で拳銃を持ち、腹筋を死ぬほど使ってそうな態勢に少しクスッとしてしまった。また、とても母親一人では荷物と乳母車を持って階段を上がれないであろう設定にもクスリ。
ベビーカーではなく、まさに[乳母車]でした。


勿論、音楽も良かったです。

ネスの家族の描き方。まだまだ【家庭が良きもの】な時代だった。
ラスト、大仕事を終え、満足感とともに当たり前のように妻子の待つ家に帰るシーンも良かった。


この時代の空気感。何となく全編洒落ていて、全てがスタイリッシュに描かれていた。
作品が全然色褪せてなくて、生きている。
当時観た時より、何故だろう?今の方が面白く感じた。
北斗星

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