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アンタッチャブルの3Dメガネのレビュー・感想・評価

アンタッチャブル(1987年製作の映画)
3.6
【法治国家の罠】
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1920年から1933年まで
アメリカでは消費目的でのアルコール
が禁止されていた。いわゆる禁酒法である
その時代に密造酒で儲けていたのが
アルカポネ、ギャングの首領である。
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冒頭、カポネが顔剃りを受けるシーン
床屋が手元を狂わせ、
彼の顔に傷をつけてしまう。
ビビる床屋にカポネは怒ったそぶりを見せず、暴力とは無関係という主張をする
表向きは小綺麗に、裏では暴力を操る彼
の二面性を表現するシーン
あの後、床屋さんは消されんじゃないか
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そんなカポネを検挙しようと政府から派遣されたネスが対処する
シカゴの町に秩序を取り戻す為
汚職警官がはびこる町に
法を味方に正義を執行する為
アルカポネと戦う決意をする
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ネスは暴力ではなく、法を用いてカポネを撃退する
この法治国家において、本当にやっかいなのは
法を味方につけたものである
カポネは警察や陪審員を抱き込んでおり
見えない暴力を可能にした
だからネスは暴力で対処できなかった
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法には法を
実質的に殺人を犯してると解っても
証拠が無ければ罪にはならない
これは法治国家の宿命である
あいつは人を殺した!
こう叫んでも誰も振り向かない
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ラストシーン、禁酒法が無くなり
ネスは記者にこれからは酒を飲むと答える
禁酒法が存在するから飲まない
禁酒法が存在しないから飲む
“お酒を飲む“という行為に、個人的な善悪の解釈は存在しないのだ
法律が罪を生み出すのであり
倫理は罪を生み出さない
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