「俺にはどこへでも行く権利がある。」
水牛に乗った少年がいます。
カンボジア。そこは西欧人にとって、天国であり秘境でもありました。
しかし、ベトナムの戦火は国境を越えてカンボジアに入ってきたのです。
主人公シドニーがカンボジアを訪れたのは1973年。ニューヨークタイムスの特派員としてでした。
空港に降り立ちましたが、迎えの車はありません。なぜなら、大きな事件が起こったからです。
激化するカンボジアでの内乱の時代を、アメリカの特派員が追うストーリーです。
ポルポト派が独裁政権を握ると、カンボジアの人々には大変な日々がやってきました。
ポルポト率いるクメール・ルージュの怖ろしさは、地獄のようです。人の命を何とも思わず奪っていく、恐ろしい世界がそこにはありました。
この映画は、1人のアメリカ人記者から見た独裁政治の国と、その国で知り合った助手との友情が描かれています。
つい、こないだまでニュースを賑わしていたポルポト派の独裁政治を、映画として知ることによって、その当時の恐ろしさを観られて、とても良かったと思います。
また、それだけではなく、ヒューマニズム映画として、とても面白い映画でもあると思います。
揺れ動く地獄のような政治の国の中で、人間の美しい友情と人間らしさを観られる、心に残る映画です。
「許すことなんか、ない。」