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憲兵と幽霊のmitakosamaのレビュー・感想・評価

憲兵と幽霊(1958年製作の映画)
3.8
スカパーにて。未見だったので見れて嬉しかった。確かに面白い。名匠中川信夫に主演が天地茂だもの。アクが強い強い。

天地茂が悪徳憲兵を演じ、機密書類を敵国中国に横流し、その責任を部下になすりつけ死罪に追いやった挙句に美人妻も略奪。
外道オブ外道を、あの三白眼の爬虫類顔で演じるのだ。そりゃ似合うよ。
だがそんなピカレスク劇を流し目で演じられるて不思議と格好いいから不思議だ。まさに悪徳の美学。

そんな風に私利私欲で権力を悪用してきたが、自身も徴兵され中国へ出兵すると事態は一変。不利な状況が次々と明るみになると同時に、殺してきた者の幻影に怯えるようになる。

無実で殺された兵隊と、その弟役に中山昭二。セブンのキリヤマ隊長だ。「ヨシ攻撃だ!」とか言いそうだ(笑)

狂気に堕ちる描写は流石の中川演出。

番組の解説で上原さくらは天地茂を「負けヒロイン」と称してた。言い得て妙。若いのに選美眼があるな。
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