シネフィルmonk

恐怖の報酬のシネフィルmonkのレビュー・感想・評価

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
3.7
中米を舞台に四人の食いつめ者がニトログリセリンを運搬するスリルを描いたサスペンス。ジョルジュ・アルノーの小説をクルーゾー自身が脚色し、台詞も書いた。職もなく、その日暮らしを強いられている男たちに高報酬の仕事が舞い込む。500km離れた油田で発生した爆発による火災を鎮火させるため、ニトログリセリンを運搬するという仕事で、フランスから流れてきたイブ・モンタン演じるマリオとジョー、それにルイジとヒンバが2組2台のトラックにニトロを積み込み、道中は洗濯板のような悪路、転回困難な狭路、落石などいろいろな障害が待ち受ける。
マリオと組んだジョーは途中怖じ気づいてしまい、運転はマリオ任せにして、何かあるとすぐに逃げ出す。「何もしないで2000ドルか」となじるマリオに対して、ジョーは「この2000ドルは運転の報酬だけではない、恐怖に対する報酬でもあるのだ」と答えるやりとりがある。これが映画のタイトル。

前半は仕事もなく荒くれ男達が管を巻いてたりのんびりしたムードだが、ニトロをトラックに積んで運搬する瞬間からは様々なトラブル、人間関係や気の緩みも出てきてハラハラドキドキの緊張感ある展開の連続。ラストの結末まで注目です。
なお、余談ですが、マリオとルイジのキャラクターが任天堂のゲームキャラクターになったとか違うとか様々言われるほど、マリオ演じるイブ・モンタンが若々しく動作も軽快です。
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