タカシサトウ

恐怖の報酬のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

恐怖の報酬(1953年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

[命を懸けて抜け出そうとする]

 前半でマリオ(イヴ・モンタン)やジョー(シャルル・バネル)達の鬱々とした状況が延々と描かれる。異国の地で仕事もなく、何とかここから抜け出すためには金が要る。それが一層強調されるが、それが後半の伏線になっているのでそれ程長いと感じない。
 
 そして、後半、少しでも衝撃を与えると爆発するニトロを運ぶ為、命がけで危ない橋を次々と渡る。抜け出すためには、命も惜しくないと。今見ても、緊迫感はかなりのものだし、重油の中のドロドロのジョーとマリオの絡みは凄まじい。そして、幾つかの場面で、成功したと浮かれた途端に死がやってくる。それが重い。

 加えて、アメリカが石油を牛耳るために、現地の住民の犠牲の上に、また、マリオやジョー達の犠牲の上に成り立っていることが示唆される。この背景があるので話が深くなっている。(2018.12.2)