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時代屋の女房のotomのレビュー・感想・評価

時代屋の女房(1983年製作の映画)
4.4
2021年05月25日
2を観る前に久々。学生運動から流れるままに古道具屋の渡瀬恒彦と100%野良猫属性の夏目雅子。宙ぶらり同士がある時代のある場所で合致し求めると云う、まさに雰囲気ある小説ベースってな具合。居なくなってたり失ったりして寂しいものを得てしまった嬉しさ半面苦しさ半面って事でしみったれた話(良い意味で)になっている。不思議オーラ、もしくは異彩を放った女性像は森崎東作品には良く出てくる気がするけれども、夏目雅子の場合はリアルに危なっかしい感じでなんかヒヤヒヤする。アブサンに大井町の歩道橋下のロケーション、そんなもん見たくねぇーの下りとか面白いところも多数なんだけど、他の作品みたいに爆発的にこっちの心を鷲掴みしてくる程ではない気もする。行って帰ってきた大坂志郎の落胆のところに一番時代の流れの残酷さを感じる。

2014年04月17日
人情喜劇とは云うものの、やっぱりカオスな仕上がりになっている。森崎東作品を観ている感じである。少女Aの歌詞の如くじれったい色々。夏目雅子の美しさ故に許される、メンヘラ気味な面倒臭さではあるが、80年代当時の人間の距離感みたいなものを垣間見られる様な気もする。良作。
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