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時代屋の女房の62355cinema5のレビュー・感想・評価

時代屋の女房(1983年製作の映画)
3.6

骨董屋「時代屋」を舞台に描かれる昭和の人情ドラマ。
原作は、直木賞受賞の村松友視の同名小説。
渡瀬恒彦と夏目雅子の共演。

東京の品川で骨董屋「時代屋」を一人で営む安さんのもとへ、ひょんなことから真弓という若い女性が猫を連れて転がり込んでくる。
二人は同棲を始めるが、真弓にはどことなく陰が感じられた...
そして、ある日真弓は姿を消してしまう。

夏目雅子が26歳の時の作品。
猫のように気ままで、所在が分からなくなっては安さんを翻弄させる真弓を印象的に演じた。
しかし、この作品の2年後、彼女は病に倒れ急逝する。(「北の蛍」が遺作となった)

渡瀬恒彦以下、脇を固める俳優陣もいい。
クリーニング屋の主人が古いトランクに詰めていた思い出、
どこか憎めない女好きの喫茶店マスター、
◯◯◯スごっこが癖になっている居酒屋の夫婦等のエピソードを披露しながらストーリーは展開して行き面白い。
(先日亡くなった朝丘雪路と津川雅彦と出演している)

出てくる小物もなかなか良い。
ペルシャ時代の逸品 涙壺、
古びた壁掛け電話式の留守録メッセージ機(昔はスマホなんか無いので)、
覗きからくり...
そして、銭湯や隙間風が入りそうな安アパートなども昭和の匂いがプンプンする。
なんか懐かしいなぁ。

また、劇中の中森明菜の「少女A」や、オープニングやエンディングに流れる ちあきなおみの曲(インストゥルメンタル)も昭和っぽくて良いですよ。
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