まごー

踊るニュウ・ヨークのまごーのレビュー・感想・評価

踊るニュウ・ヨーク(1940年製作の映画)
4.9
フレッド・アステア×エリノア・パウエルって時点でテンション超上がる。

個人的に歴代最高女性ダンサーはエリノア・パウエルだと思ってるし、何なら超ファンだから、フレッド・アステアとペアで踊ってくれるなんてもう嬉しいのなんの。

そして、期待を大きく上回るダンスシーンの素晴らしさ。
次から次へとやってくる神ミュージカルシーン。これはもうMGMにミュージカル映画の神様が降りていたとしか考えられない完成度。
それにしてもエリノア・パウエルのタップダンスってなんであんなに心つかまされるのでしょうか。延々見ていたい。まるで天国にいるかのような心地になれる。

そして、特筆すべきはストーリー。
なんとアステアが切ない片思いをするという衝撃の展開。
見ているこっちまで胸がぎゅっとなってしまった。クラシックミュージカル映画を見てこんな気持ちになるなんて。。。どこまで素晴らしい映画なんだ。
正直、最後は強引に大団円に収めたって感じはするけども、
とはいえ、友情も恋も美しく描かれた、何よりも素晴らしいエンディングだったと思う。

そして、これも触れずにいられないクライマックスの「ビギン・ザ・ビギン」の歴史に残る名ダンスシーン。
音楽が消え、無音の中繰り広げられるエリノア・パウエルとフレッド・アステアのガチンコタップダンスバトル。
それを長回しでじっと映し続けるカメラ。
思わず息をのみ、スクリーンにのめりこんでしまう。
これ以上素晴らしいシーンはないでしょう。
きっとこれから先も生まれない。
ミュージカル映画史上最高のシーンだと思う。
むしろここだけでいいから見てほしい。

それにしてもブロードウェイ・メロディーシリーズとしては異色?だったなあ。ロバート・テイラーじゃなくてフレッド・アステアというのもそうだし、エリノア・パウエルが出生する話じゃなくなってる。楽曲もコール・ポーターで、ブロードウェイ・メロディーはOPでちょっと流れるだけだもん。これは完全に別物だと思う。

とにもかくにもアーサー・フリード以前のミュージカル映画の最高傑作だと思った。ビバMGM。

フレッド・アステアとジョージ・マーフィはコンビを組み場末のホールでダンスをしている大親友。
ある日、凄腕スカウトマンがフレッド・アステアを見てとても気に入りショープロデューサーに熱く推薦する。
しかし、うっかりミスによって間違えてジョージ・マーフィの方がスカウトされてしまった。
こうして運良くジョージ・マーフィは、大スターだったエリノア・パウエルのペアダンサーとして晴れてデビューすることになる。
が、一方でエリノア・パウエルに密かに恋心を寄せるフレッド・アステアは、自分の思いを押し込めて相方の成功を静かに見守ろうとする。超切ないラブストーリーであり友情物語です。
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