デビュー以来、快進撃を続けていたスピルバーグが初めて挫折を味わったとの世評もやむなしかと思える、1979年公開のコメディ映画。
嗜好性としてはこういうちょっとブラックテイスト入ったスラップスティックコメディって本来嫌いじゃない部類のはずなんですがねぇ...なんでしょう、ことごとくギャグがすべってるというかまったく笑えないというか。
これはまあスピルバーグとコメディとの相性の悪さもさることながら、端的に言って脚本が酷いんじゃないかなぁ。
やたらと多い登場人物を全然捌ききれてないこともあって、当時に進行するエピソードがその数すら把握しにくく、とにかく話の筋がわからなすぎ!
やたら景気良く破壊シーンが繰り出される割にはどうにもアッパーなムードには昇華されておらず、どこか虚無的なヤケクソ感が伝わってくるんだな。
かと言って反戦メッセージが明確な訳でもなく、むしろこの当時ですら微妙だったんじゃね?と思えるポリコレ抵触ネタが主に人種や性別方面でイヤな感触を残している。
数少ない見せ場としては後の「ウエストサイド・ストーリー」リメイクを彷彿させるジルバコンテストのくだりぐらいな、自他ともに認める失敗作ですかね。