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1941のkoyamaxのレビュー・感想・評価

1941(1979年製作の映画)
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局地的大騒動映画決定版!?

スピルバーグ史上、ヒットせず、内容もスベリまくって有名な一作。

クリスマス間近の南カリフォルニア。
日本軍が攻めてくるという恐怖に慌てふためく市民たちの24時間を描く群像コメティということで、、


「激突!」「ジョーズ」なんかと同じように限定されたシチュエーションでの局地決戦騒動がコメディに転化された今作。

戦争映画というよりかは、
「外からの脅威に立ち向かう、市民総出の大騒動の一日」というシチュエーションで、不謹慎という意見もありそうですが、文化祭前のような「とりとめもなくざわめき盛り上がる気分」に参加する感じで見れます。

基本的に何も考えていない人たち同士が寄り集まってパニックを乗り切るという状況で、それが各々住民らの下らない行動を助長して「日本軍撃退作戦」にうねりが生まれるはずですが、、


各人たちそれぞれクセが強く、ユーモラスですが、沢山出すぎると逆に誰にも感情移入ができません。
恐ろしいところは、登場人物がたくさんいるのに、一人もツッコミ役がいない(^^;
というところがこの映画のもっとも破壊的なところです。

スベリ放題やり倒しでフォローもなく、そもそもちゃんと終わらせるつもりだったのかも怪しい感じです。

映画としては、「激突!」「ジョーズ」「未知との遭遇」のようによくわからないものが迫ってくるシチュエーションですが、日本軍の潜水艦側の視点が入る事で上記3作のような「よくわからないモノに対する恐怖や緊張感」が薄まってしまっています。

そして市民たちはそれぞれで面白い人たちですが、「日本軍の脅威」に対するリアクションが乏しいので、普通に観ているとあまりサスペンスが強調されてませんし、
なにに同調すればいいのかよくわからなくなってしまいます。

とはいえですけど、
大作映画でありながら、「総合的にまとめない」。
タイムアップ的に強制的に区切るという感じにですね、、
毎回「一夜限りのとりとめのない楽しさ」をおぼえるので何度も見てしまいます。
評価されない理由もわかりますが、同じ理由で楽しめもする怪作といっていいかもしれません。結論とか映画史における何某とかいろいろ気にしなければ笑
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