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キッドのnagashingのレビュー・感想・評価

キッド(1921年製作の映画)
4.0
今日的なハートフルコメディとしての完成度の高さにおののくが、ドタ靴はいてバタバタ歩くチャップリンの姿が映った瞬間にはもうすでにおもしろいので、プロットがどうのこうのというレベルの問題ではないのだろう。ユーモアとペーソスの混淆が絶妙にうまく成立しているぶん、スラップスティックの噛み合わせがどうも不調のようで、作品全体がヒューマンドラマに寄っているせいか、石で窓を割ったり煉瓦(?)で暴漢を殴るシーンがどうしても浮いてしまう。というか必要以上に暴力的に見える。難点はそれくらい。新聞広告と夢から覚めるカットの編集には感心した。赤ん坊のサイレント的演技が完璧すぎてジャッキー・クーガン少年より印象的。
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