EnoTaka

キッドのEnoTakaのレビュー・感想・評価

キッド(1921年製作の映画)
4.3
すごくいい作品だった。無声映画は久しぶりに観た。1921年ということでかなり昔の作品。たくさん笑ってたくさん学んでちょっぴり切なくて悲しくて考えさせられて…。こんなに時が経った今でも笑うツボとか、辛くて悲しくて胸がギュッとなるシーンとか、考え込んでしまう場面っていうのは昔の人も今の人も変わらず同じなんだなって実感すると、それがなんだかすごく不思議だった。そしてそれを可能にしたチャップリンの演技も本当に素晴らしかったと思う。身振り手振りを使って大きく分かりやすく劇のようにする芝居はものすごくユーモアがあって感情表現が豊かだった。生きた時代が違った人でも、何年経ってもたくさんの人々の心に彼の想いや伝えたいことが届く理由がなんとなく分かる気がする。あんな表現が出来る人は他にはいないしこれから先も現れないだろう。一つも意味のない無駄なシーンがなかった。人生の教訓がたくさん詰まった素晴らしい作品だった。言葉がなくてもこれだけたくさんの人に伝わるんだったら言葉なんていらないじゃんって思ってしまった。この作品は言葉を一言も発してないのに今までで一番心に響いたし、学ぶことも感じることも一番多かった。そして子役が本当可愛かった笑。ずっと見ていられたなぁ。
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