グリーンツー

ホームカミングのグリーンツーのネタバレレビュー・内容・結末

ホームカミング(2010年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

定年退職したサラリーマンが、自分の町を盛り上げるためのお祭りを開催するまでの奮闘を描いている。

役者の平均年齢が高いから、全体的に「ゆるい」感じの仕上がりになってる。そこがまたいい。

勿論、ただ笑ってオシマイの映画ではない。今回の舞台は「ニュータウン」が舞台になっている。その「ニュータウン」を通じて「地域(に限った話ではないけどね)コミュニケーションの希薄化」に触れて、問題提起していたようにも感じた。そこはかなり痛烈に感じた。僕も小浜市や会社で、友達と呼べる存在がいないからね…。mixiでも「知り合い」はいるけど、「友達」と呼べる存在になると…。

「ホームカミング」というのは、元々アメリカのイベント。様々な場所に散っていった仲間達を、年に一度パーティーやお祭りで迎える。

そういった「(自発的に)何かしよう」という意識があって初めて「コミュニティ」が成立するんだけど、今の日本社会はどうもそれを理解できてない人が多いみたいだね。

人間関係で大事なこと、それは「(大多数に)合わせよう」とすることだ…と思っている人、わが社にも多い。だから、いつも無意味につるむ人が多い。「つるむ」ことそれ自体に意味があると思っている人が多いと思う。で、何でも「多数決」で決めたがる。

つまり、「協調性」を重視するあまり、「お互いの価値観」を認めあう、尊重しあうことを忘れてしまっている人達が多いと思う。「自発的に」ではなく、誰かに「強制されて」、「一人になるのが嫌で、怖くて、ダメ人間だと思われるので」つるんでいる人達、結構多いと思う。「集められる」のではなく、「集まらないといけない」のでもなく、「集まる」意識こそが「コミュニティ」のベースにならないといけない。そうでないと続かないからね。そして人々が「(自発的に)集まる」場所こそ「(それぞれの人にとっての)ホーム」なんだというのがこの映画の一番のメッセージかなと思った。

老人ばかり出てるけど、若い人にも観てもらいたい映画。

てなわけで、内容には満足してる。でも、一つだけ注文したいことが。黒部進、森次晃嗣、桜井浩子、これだけ揃えたなら、映画のどこかにウルトラマンシリーズのパロディーなどで「遊び」を入れてほしかった。