佐藤でした

ルルドの泉での佐藤でしたのレビュー・感想・評価

ルルドの泉で(2009年製作の映画)
3.7
病気が原因で車いす生活を送るクリスティーヌは、数々の奇跡で知られるカトリックの巡礼地の1つ“ルルドの泉”へのツアーに参加する。マリアという若いボランティアがクリスティーヌの介護を担当するが、次第にその仕事もおろそかになり…。

ルルドの泉。そこから湧き出る水はこれまで数々の“奇跡”を起こしてきたとされ、毎年500万人もの多くの人が祈りを捧げに訪れる場所。

主人公のクリスティーヌは、動かない手足が治ることを切望しているものの、それほど“奇跡”を信じてはいない。連れて来られるがままに参加した。ただ車椅子に座っていれば、ツアー各所での儀式が執り行われる。
介護ボランティアの小娘(レア・セドゥ)には、イケメンとのイチャイチャを見せられながら。

そして、他のツアー参加者が、自らの身に奇跡を起こすのだと躍起になる中、無欲なクリスティーヌに“奇跡”が起こる。


…思わぬ私的発掘良品でした。「奇跡」を題材にしながら、果たして奇跡は起こるのか!というところにテンションを持っていっていないのが良い。奇跡が起きた後からが興味深かった。

彼女には、確かに奇跡が起きた。
だけど、こうなったら
右肩上がりで前進しなければ…と思ってしまうんですね、人ってたぶん。
新たな欲が生まれるだろうし、周りからの期待もあるし、何より糠よろこびして傷つくのは自分だし。

ここからは上がるだけだ!という希望に満ちた前向きな心と、
また元通りになってしまっては悲し過ぎるという恐怖、
両方が示唆されるラストの余韻が絶品でした。
女優シルヴィー・テステューあってこそ。