himajin

ルルドの泉でのhimajinのレビュー・感想・評価

ルルドの泉で(2009年製作の映画)
3.5
3度目かな?
無性にフェリチタが聴きたくなる時があるのだ。
ま、何度も見れるのがフランス映画の良い所。
人間ってその時々でいろんな感情がいろんな振幅であるもんだっていう心の機微を捉えた作品かなと。人間の残酷な部分を描きながらも、ウィットを感じる。
おっさんとレア・セドゥのフェリチタとルルドで蛇口から水出てくるシーンで毎回可笑しくなる。奇跡を認定する医療局なんかも本当にあるというから、びっくり。


信仰って、殆どの人は、結局助かりたいとかすがりたいという思いの上に成り立っていて、人に優しくするだとか、奉仕するだとかも、所詮その延長線で、何か物凄い精神性なんかなくたっていいじゃん、いや、それでいいじゃない、それぐらいが丁度良いのだよという映画かなーと。そういう意味では、日本人ってキリスト教・特にカトリックに対してすごく構えている所あると思うけど、日本人のもつ宗教感と、そう大きくはかけ離れて無いよっていう部分も見える映画でもある。

ボランティアやってみた→いい男発見したので仕事ちょっと手抜きしました→脈がないので、おっさんと歌って盛り上がってみた
な一連のレア・セドゥの大して何にも考えてない感じ、奇跡にも介護の対象にも何の関心もない感じは、信じる必要も人を妬む必要もないことこそが幸せの本質なのかもしれないし、そのテキトーな感じも、案外丁度いい塩梅の優しさなのかも。
とフェリチタ〜と歌うレア・セドゥとそれを見て微笑むシルヴィー・テステューのシーンを見て思ったり。


点子ちゃんとアントンで気になったシルヴィー・テステュー。他の作品をと思って見たのが「畏れ慄いて」。なんとも言い難い作品でより気になってしまって、次に見たのがこの作品。繊細な心の機微を表現していてうまい。
レア・セドゥは印象に残るキャラクターを毎映画違う俳優のごとく、さらりと演じてるのがこれまたすごい。初めてみたのはこの作品だけど、そんなことすっかり忘れてブルーは熱い色見たら、全然気がつかなかった。アンニュイな感じを武器にしつつ、スペクターもウッディ・アレンもマリー・アントワネットのやつもグランドセントラルも全部雰囲気変えていて、次は何が見れるのか楽しみな女優さん。
himajin

himajin