ひええ

審判のひええのネタバレレビュー・内容・結末

審判(1963年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

テンポの良い不条理劇、パン・フォーカスを多用したソリッドなカメラワーク、しかも全てのカットが絵画として成立してしまいそう。
オーソン・ウェルズ作品に見られる大胆な構図がたまらなく好きだ。
やけに天井の低いアパート、だだっ広く無機質な銀行オフィス(テリー・ギリアムは「未来世紀ブラジル」のワンシーンでオマージュを捧げている)、悪魔のような子供たちに囲まれるアトリエ、等といったセットも素晴らしい。
カフカ原作ということで多くの寓意があるのだろうけれど、まだろくに汲み取れていない...とはいえ、ただストーリーと映像を追うだけでも大変刺激的で、わたしの人生の中でも屈指の映画体験であった。

音楽的な演出に関しても、主張が強すぎずに品がある。
異様な状況と優雅で物悲しいクラシック(アルビノーニのアダージョ?)という組み合わせが気持ち良い。
所々に挿入されるジャズも効いていた。
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