カツマ

ファミリー・ツリーのカツマのレビュー・感想・評価

ファミリー・ツリー(2011年製作の映画)
4.2
この映画はラストカットが本当に素敵ですね。家族の理想って、父親の理想って、あの最後のシーンに集約されていたような気がします。家族ドラマの名手アレクサンダーペインは比較的地味なキャスティングが多いイメージなので、ジョージクルーニーはもっと浮くかと思っていたけど、これがまたどう見てもアロハの似合うおっさんにしか見えなかった(笑)
いまや売れっ子になったシェイリーンウッドリーが出演していたり、キャスト面でのセンスも相変わらず発揮されています。

弁護士のマットは妻のエリザベスとはもう会話もない冷え切った夫婦関係。だが、エリザベスはボートの事故で甚大な損傷を負い、植物状態を余儀なくされてしまう。仕事人間だったマットは10歳の娘スコッティともどう接していいか分からず、下宿している長女のアレクサンドラにはどこか冷たくされてしまう。アレクサンドラは母エリザベスとは喧嘩中だったのだが、喧嘩の理由はエリザベスの浮気だった。妻の浮気にショックを受けるマットは浮気相手を探そうとするのだが・・。

ハワイを舞台にしたのんびりとした風景と、それには不釣り合いな重い命題を融合。妻への、母への葛藤を胸にしまいつつ、家族としての在り方を模索していく3人の物語だ。長女の彼氏役がどう見てもバカなのに実は意外といい奴だったりサブキャラも個性的。原題は『子孫たち』。脈々と受け継がれるハワイの血統を背負い、美しい風景を守っていく血の役目が幹のように根を生やし、大きな木となって一つの家族に一本太い芯を通した。ファミリーツリー、という邦題、自分は結構好きでしたね(笑)
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