むさじー

ファミリー・ツリーのむさじーのネタバレレビュー・内容・結末

ファミリー・ツリー(2011年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

<大切なものを失ったとき、初めて自分の愚かさを知る>

家族の死とそれにまつわる秘密、その難題に、家族が一緒に取り組み乗り越えて、絆を取り戻すという家族再生の物語。
併せて主人公にはお金か自然保護かという選択も付きまとう。
三人で一枚の毛布にくるまりテレビを見ているラストシーン、ペンギンにまつわるナレーションが流れる。
「ペンギンは海を飛び出し大行進をする。だが飛ぶことはできない」。
ペンギンが南極の過酷な自然に耐え歩んでいるように、人もまたどんなに辛くても歩くしかない、と言っているようだ。
金持ちではあるがフツーの男が、突然妻を失い、今まで思いが及ばなかった自らの役割に気づかされる。
家族を守り、美しい自然は残そう。
さまざまな確執や悩みを経て、落ち着くべきところに落ち着き、静かな諦念と新たな決意に行き着く。
男を取り巻く状況は深刻だが、ハワイの牧歌的な風景がそれを救っていて、コミカルなやりとりにもつながっている。
このバランス感覚は確かなもので、軽やかなメッセージになっている。
むさじー

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