次男

追憶の次男のレビュー・感想・評価

追憶(1973年製作の映画)
4.0
"The way we were"って言葉だけで、胸が締め付けられますよ。

加齢って魅力的です。この映画の素敵さばっかりは、加齢に助けてもらわないとわからないのでは。加齢を語るにはまだ尻の青い私ですが、私程度の若輩でも、かくもしんみり致しました。観る前は、「『追憶』ってしんきくせーなオイ」でしたけど、いまは「『追憶』…(遠くを見つめる)」な、具合です。

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ラストシーンが素晴らしいですね。
「アイロンやめたんだ」って、僕もすぐに思いましたし、きゅんとしました。やっぱりあの頃は、自由でありのままの貴女ではなかったんですね、僕も同じくです、なんて。いちばん好きだったことと伴侶にであることは、同義とも限らず。
「あの頃」を思い出しながら流れる、主題歌の『the way we were』が本当に素晴らしくて、遠い目が止まりません。

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わかるわかるぶっておりますが、本当はわかりません。

愛し合って求め合っているのに、生き方が異なるふたり。お互い「私たちは違う」ってそんなことわかってて、無理矢理ねじこんで共にいようと腹の中を抑圧して、抑圧!、でもやっぱり違うふたり。

僕の知らない世界です。阻むのは事情、生き方の違い、な恋愛。大人の恋愛映画だなあと思います。髪を戻したケイティを見て、どんなことを思うんだろう。想像するだけでも芳醇で、加齢って魅力的だなあと思います。
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