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ベルサイユの子のskgcのレビュー・感想・評価

ベルサイユの子(2008年製作の映画)
3.8
失業に見舞われてしまった人はなんらかの被害者だと思うし、踏みにじられてきたんだと思う。
けど、それにしてはラストが微妙だった。
踏みにじられて、でも生きて、生き抜いてきた人たちの人生やそれまでの時間を、無駄にされた感じがした。
ラストの後はどうなったのかわからないけど、どこかが円満になれば、どこかでは悲しみに暮れる人がいる。そんな結末を予想しちゃったかな。

序盤から終盤まで、ずっと良かった。強くなくとも、じわじわ訴えかけてくるものがあって、めちゃ良かった。
だから、なおさら終わり方が残念だったな。
評価が低いのも、ラストのせいなのかな。

作中のセリフで「ルーム」とかぶるのがあった。子どもにとって安心を得る場所は、絶対の安全を保障された場所でもなく、壁があって屋根がある暖かい部屋でもない、清潔な服でも寝床でもない。
エンゾが言葉に出さず表情や雰囲気であらわしていた「手をつなぎたい」と思っているだろうシーンが印象に残ってるな。

主演のギョーム・ドパルデュー。めっちゃ男前で、今後彼の出演作を追おうと思ったら、これが遺作だった。
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