ちい

レイヤー・ケーキのちいのレビュー・感想・評価

レイヤー・ケーキ(2004年製作の映画)
3.3
マシューヴォーン×ダニエルクレイグによる麻薬売買と裏社会の階層構造を描いた作品。主にイギリスを舞台に、ある大きな闇取引をめぐって様々な人々の思惑が入り乱れ展開していく。

組織の話なので、当然沢山の登場人物が交錯する。顔と名前が一致せず苦労するが、一介のチンピラから殺し屋、ボスに至るまで曲者揃いである。俳優陣も豪華。シエナミラーははまっていたし、ベンウィショーとクレイグの絡みはニヤリとしてしまった。

唯一無二の傑作ストーリー、と重量感で迫ってくるのではなく、こういう裏切りや騙し合い、いざこざが日々展開され、勢力図が塗り替えられていくのかな、と思わせる軽さがリアル。ラストもあっさりしているところがいい。

クレイグ演じる麻薬ディーラーのもとには、今回の取引にまつわる様々な問題や無理難題が持ち込まれる。知恵をひねり、あまりスマートではない方法でねじ伏せるようにそれらを解決していく彼だが、ついつい、もっとそつなくこなせるはずでは、と思ってしまうのは007ボンドの影響か。

カフェのシーンで、デュランデュランのオーディナリーワールドが流れたのが良かった。何気ない店内のBGMだったが、歌詞の世界観がストーリーに合っていると思った。
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