ロウ・イエ監督も少し追います!
監督独特のカメラワークで目眩がしそうになりましたが...なんだろう?オリジナリティがある監督なので好みは分かれるのかもしれないけど、私はかなり惹きつけられました。
舞台は上海。ゴミと排水で汚れきった蘇州河。そのほとりで生まれ、一生そこで暮らすんだろう貧しい人々を、ビデオの出張撮影の仕事をしている"俺"がカメラを回しながら一人称でナレーションする。顔が最後まで出てきません。
ねっとりとした湿気と熱がこもった空気、血生臭さ、怪しげなネオン、怪しげな酒、船の家、瓜二つのムーダンとメイメイ。
ジョウ・シュンが二役をしているが、ミステリアスな可愛さが放っておけなくなる。
「私がいなくなったら、マーダーのように探す?」
「うん」
「探し続ける?」
「うん」
「死ぬまで?」
「うん」
「嘘つき」
「.....」
これはオープニングとエンディングで2度この会話をします。もう頭の中にこびりつきました。
23年前、今の時代では作り出せないレトロな空気感の上海だからこそ観る価値があるように感じた。
タイトルは『蘇州河』なのだ。
ミステリアスでファンタジーのような話の内容だが、メインは河にある。
中国に市場経済が導入された社会、高層ビルを背景に古びた建物が取り壊され、汚い河で経済が回っていた人々に変化が訪れる。
2人の女と2人の男。愛し合った恋人たちの死を飲み込んで河の流れは永遠に海へ向かう。時は移り変わり街は変わっても、男と女の関係はその繰り返しということか?
もう一回観たいな〜🌟