Jaya

東京裁判のJayaのネタバレレビュー・内容・結末

東京裁判(1983年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

東京裁判の記録映画。貴重な映像であることは間違いないのですが、映画と言えるかというと、首を捻ってしまいます。

裁判の経緯は分かりやすくまとめられており、限定的な資料でありながら、その中で各被告の人間的な部分を抜き出すことに成功しているように感じました。

各裁判官、少ないながら、特にウェッブとパールがどのような合理的根拠を持っていたのかも見えました。

但しそれらは別の史料からの付け足しに依る部分が多く、その情報は、裁判映像を主体にするがゆえにナレーションに頼らざるをえず、観賞中にはうるさい。

人物が喋っている映像にナレーションを被せる場面も多すぎました。また、解説的な挿入も演出という意味では効果的とは思えませんでした。

ラストの映像も、唐突に監督の主張を差し込まれたようで興醒めでした。言いたいことは分かりますが…。

映像の力は途方もなく、史料としても纏められていますが、全容を把握するにはこの時間でも足りるはずもなく、消化不良な点が際限なく持ち上がり、といってそこに物語はなく、映画としては失敗しているように感じた作品でした。
Jaya

Jaya