デパルマ

ひきしおのデパルマのレビュー・感想・評価

ひきしお(1972年製作の映画)
2.5
日本テレビ版吹替を鑑賞。地中海の孤島で暮らすマルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの歪んだ愛。マストロヤンニは自立した何でも出来る万能の男として描かれているが、ドヌーヴは男を求める以外に主体性を失った女。また、犬の首輪をはめたドヌーヴは、裸同然で主人の足元にうずくまり顔を舐める。マストロヤンニの妻は「抱いて。私、犬にだって何にだってなるわ」と泣きながら夫に尻を向けるが、後背位は英語で「doggie style」。夫が「僕たちは友達じゃない」と言うのは、主人と犬の関係だから。humanとはmanであってwomanではない、とでも言うように。愛されなかった女は、主人に噛み付くことはおろか吠えることさえ出来ず、ただひたすらもがき苦しむのだ。やがて、飛行機は二人を乗せて走り出す。現実を捨てた二人には、どこにも行き場なんてないのに。
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