【生まれた頃から隣に音楽があった】
ヴィム・ヴェンダース監督・脚本によるキューバ音楽ドキュメンタリー作品
〈あらすじ〉
ヴィム・ヴェンダース監督が、世界的ギタリストのライ・クーダーと共にキューバのミュージシャンたちの人生を綴る。クーダーが敬愛するキューバの古老ミュージシャンたちと創り上げたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は全世界で100万枚以上のヒットとなった…。
〈所感〉
ドキュメンタリーはどうも苦手だが、キューバのダイナミックな風景は美しく、音楽は耳触りがよく、地球の裏側の我々にもこうした音を楽しめる素養が備わっていることに驚かされる。老いたミュージシャン達のエネルギッシュな演奏・歌唱にはその土地が生み出した魂のようなものすら感じられて、音楽を聴いているというより、生き様を浴び続けるような体験だった。オードリー若林のキューバ旅行記エッセイを読み返したくなった。ここには何者にも支配されない無地の自由がある。ラストのカーネギーホールでの大団円は圧巻。映画としての意匠はなくそこは微妙。
