映画としてめちゃくちゃ面白いっていうわけではないけれど、老音楽家たちの奏でるキューバン・ミュージックがかっこよすぎて、見てよかった！と思わされる。
わたしが訪れた2年前のキューバと、映画の中の20年前のキューバの風景が何も変わってなくて、嬉しいような懐かしいような、でもほんとに大丈夫かなって心配したくなるような、複雑な気持ちになった。わたしは「成長すべき」という考え方が必ずしもいいものではない、と思っているから、そんなキューバの変わらなさやのんびり感がとても好き。でも、「音楽をやめようと思った。ここには我慢しなくてはならないことが多すぎる。(的な)」ということばに、わたしの好きなキューバはほんの一側面でしかない、と改めて突きつけられる。
それでもやっぱり、彼らが生き生きと演奏している姿は清々しくて好きだ。ごつごつと細くて、皮は黒くすべらかな木の枝のよう。そんな彼らの年季の入った手で奏でられる、力強い音。生涯現役のおじいちゃん・おばあちゃんたち、とてもかっこよかった。
