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名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)のbackpackerのレビュー・感想・評価

3.0
◾︎劇場版名探偵コナン第8作

【作品情報】
公開日   :2004年4月17日
作品時間  :108分
監督    :山本泰一郎
製作会社  :小学館、よみうりテレビ、日本テレビ、小学館プロダクション、東宝、トムス・エンタテインメント
脚本    :古内一成
原作    :青山剛昌
音楽    :大野克夫
撮影    :野村隆
配給    :東宝
主題歌   :『Dream×Dream』(愛内里菜)
出演(声) :高山みなみ、山崎和佳奈、神谷明、山口勝平、茶風林、緒方賢一、岩居由希子、高木渉、大谷育江、林原めぐみ、石塚運昇、松井菜桜子、井上和彦、三木眞一郎、他

【作品概要】
『名探偵コナン』の劇場版第8作。
山本泰一郎が監督を引き継いだ最初の作品。
怪盗キッドの登場は第3作『世紀末の魔術師』以来となる。
また、キッドが工藤新一に化けるという形態は第3作にて既に行われていたが、本作からは、新一に変装した状態で、より堂々とコナン一行の前に登場するようになる。
以降のキッド登場作品でも、この「新一=キッドの変装」という図式は頻繁に登場するが、ある意味その流れを決定づけた作品と言える。


【作品感想】
初期の劇場版コナン作品は、ミステリー、恋愛、アクションの3要素が、ちょうどいい塩梅でまとまっていたと思っています。
体感はミステリー:3、恋愛:3、アクション:4くらいのバランス。それを、時に難解本格派のミステリー、時に頬が赤くなるような純愛路線、時に手に汗握る多様なアクションと、それぞれにかける比重を少しずつ調整して、作品の特色として際立たせていました。
しかし、本作あたりからですかね。限界といいますか、バランスブレイクしたといいますか、軽妙洒脱さが薄れ上手くまとめられなくなってきたように思えます。
その分、いずれかの要素がかなり目立つようになりましたね。
本作においては、後半のアクション、ジャンボ機の着陸に係るパニック&サスペンスがメインとなっています。

個人的なコナン映画全体への感想として、「作品を重ねるにつれ、犯人に魅力がなくなっていく」という認識があります。
この点を強く認識するのも本作から。
私怨による殺害はいつものことだけど、どうせジャンボ機で殺すのなら、いっそのことジャンボ機を爆破墜落させるくらいやってほしかったんですよね。そのうえで、犯人には一言言ってほしい。「他に誰が何人死のうと、知ったこっちゃない」と。

まあ、〈ジャンボ機内での殺人〉というかなり珍しいクローズド・サークルもの自体は面白かったですね。こんな設定滅多にないですし。
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