円柱野郎

名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

劇場版「名探偵コナン」の第8作。
舞台女優のもとに届いた彼女の宝石を狙う怪盗キッドからの予告状。
予告された女優の出演する舞台の日、毛利小五郎たちの警戒が功を奏したのか怪盗キッドは宝石を盗むことなく退散したが…。

劇場版では3作目以来の登場となる怪盗キッド。
今回もコナンとの対決か…と思わせておいて、今作のメインテーマは航空パニックだった。
後半はほとんど探偵の仕事じゃなくなっているよなw
なので中盤に起こる殺人事件は比較的簡単に犯人が判明してしまうし、終盤ともなればその事件の関係者はほぼ空気。
殺人事件が航空パニックの状況を作るためだけの都合のいい設定にしか思えず、ちょっと物足りなかった感じです。

まあライバルであるキッドとコナンが無事に飛行機を地上に降ろすという共通の目的のために協力する、そんな少年漫画的には熱い展開だとは思うんだけれど。
楽しめるかどうかはそのあたりをどう受け取るか次第かな。
そういや蘭のスリーサイズを聞いたり何だかキッドのキャラクターがやたらと軽い気もしたけど、こんなもんだっけ?w

メインの航空パニック編については、操縦の細かい描写は細かくて良い具合にリアリティもあると思う。
そのあたりが下支えをして、素直にパニック映画だとして観れば割と面白くは観れましたよ。
まあ最後の最後は蘭と園子の二人で操縦って…、あの短い間に細かい操作をよく習得したもんだとは思ったけれど。
(特に意を決した後の蘭はスロットル類の操作に迷いが無い。)
話の勢いにごまかされているのかな…まあいいかw
そういえば着陸に失敗した函館空港ではかなりの被害を出しているけど…、これってそんな事態を狙ってなかったとしても、原因を作った犯人の罪状はどうなるのだろうか??

しかし最後まで観ると、ストーリーの段取りのような流れを隠しきれていない様に感じられるかなあ?
最初に目的地を函館にしたのも、埠頭への強硬着陸というエンディングから逆算して設定したんだろうし。
パトカーの整列で誘導灯の代わりにするというアイデアは面白いけど、中森警部は偶然にもよく埠頭を囲む形でパトカーを停めさせたもんだな、とはやっぱり思ってしまう。
偽キッドが室蘭まで逃げたこと自体も偶然でしかないわけだし。
その辺の偶然に頼った展開が物足りなさに繋がっているのかもしれない。

ちなみに本作から監督がこだま兼嗣から山本泰一郎へと交代しております。
作風の違いがはっきり出ているとまでは思わなかったけど、途中でこれまで見たことのない様な毛利小五郎の変顔が出てきたのは笑ったw
円柱野郎

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