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いまを生きるのEyesworthのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.8
【Carpe Diem!】

ピーター・ウィアー監督×ロビン・ウィリアムズ主演の青春ドラマ

〈あらすじ〉
1959年、バーモントにある全寮制の名門進学校にやって来た新任の英語教師。破天荒な授業を通して、詩の美しさや人生の素晴らしさを説く教師に惹かれていった生徒たちは、彼がかつて学生だった頃に作っていた死せる詩人の会という同好会を自分たちの手で復活させる…。

〈所感〉
個人的にこの邦題だと啓蒙、自己啓発本みたいな感じでちょっと触れ難いと思っていた。原題の方が断然良いがそれの方がとっつきにくいか。いざ見て見たら、流石はハリウッドの良心ロビン・ウィリアムズということで、彼が演じるキーティング先生のそのウィットと愛情に富んだ台詞回しがとても切に胸に響いた。「私は静かに生きるため 森に入った。人生の真髄を吸収するため 命ならざるものを拒んだ。死ぬ時に悔いのないよう 今を生きる。」という死せる詩人の会の冒頭の言葉がすべてであり、その会を現代に復活させたニール達生徒は、学校の勉強とはひと味違うその集いに大きな意義を感じて溌剌とした活動を続けていたが、事態は思わぬ方向へと進んでしまう。学校物で型破りな先生が学業偏重で頭でっかちに陥る生徒と教育現場を変える的なテーマは結構ありがちなのだろうが、本作はそうしたアプローチとはちょっと異なり、恥じらいながらも自分の口から出た等身大の言葉は自分だけの詩であること、そういった違う方向への才能伸ばし方もあるのに、自分で才能を見切り閉ざしてしまうのは勿体ないことをキーティング先生は教えてくれるように思えた。こんな先生、自分の学生時代にもいたらなぁ。ラストシーン最高すぎる。学生にせよ社会人にせよ勉強へのモチベーションを上げるにも最適な活力剤になる一本だと思う。
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