おなべ

いまを生きるのおなべのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
3.8
『いまを生きる』の “いま” とは、本作が製作された1989年の事を指すわけではなく、過去にも未来にも現在にも縛られず今生きている“この一瞬”を意味する。作中で《ロビン・ウィリアムズ》演じた教諭キーティング先生の名台詞の数々は、万国共通で現代に通ずるものがあった。

《ピーター・ウィアー》監督、主演《ロビン・ウィリアムズ》で制作されたヒューマンドラマ。映画史に語り継がれる本作は第62回アカデミー賞で脚本賞を受賞し、日本でも《佐藤隆太》が主演となり舞台化された。他にも若かりし《イーサン・ホーク》が出演している。

1959年 アメリカのバーモントにある全寮制学院アカデミーに、同校のOBでもある英語教師ジョン・キーティングが赴任してくる。厳格な規則を遵守している生徒達に対しキーティング先生は自由奔放でユニークな授業を行い、彼らに身をもって「自由に生きること」の在り方を教えていく。次第に生徒達はキーティング先生の魅力に惹かれ、自分の新たな可能性を見出していく。そして、悲劇が起こる…。

本作では「自由な生き方」をテーマに奥深く熱い人間ドラマを展開している。特にラストは映画史の中でも特別秀でている名シーンと言っても過言ではない。個人的にも好きなオチランキングのトップ10に入るくらい、ラストシーンには鳥肌が立った。また、この作品は「自由に生きること」とはどうゆう事なのか、人生において大切な事を教えてくれる教本のような映画だ。特に、常識に囚われている今を生きる若者に一人でも多くの人に観てほしい作品。

英語教師のキーティング先生は数々の名言を残すが、一つとして綺麗ごとは言っていない。どれも説得力と愛に溢れた素晴らしい言説ばかりだ。鑑賞後はきっと「人生はもっと自由で、無限大なんだ」と、限定された考え方から解放されて自由になっているに違いない。映画の力って改めて素晴らしいと感じるに違いない。

いかん、レビュー書きの途中なのに内容を思い出して涙が込み上げてきた。改めて、本作のような素晴らしい作品(価値観や考え方)と出会えて良かったと思う。


【以下ネタバレ含む】


◉好きな名言…

〚 いまを生きろ 若者たちよ。素晴らしい人生をつかむのだ。〛
〚 君たちの瞳がこう言っているのが分かる。“人と違う生き方がしたい”と。〛
〚 君たちには、自分らしい歩き方を見つけてほしい。〛
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