KANA

いまを生きるのKANAのレビュー・感想・評価

いまを生きる(1989年製作の映画)
4.0

ロビン・ウィリアムズの代表作の一つを改めて。

もう…キャラクターも内容も知ってるのに、やっぱり随所で涙が溢れ出た。

生きるって、今を生きるってどういう事なのか。
教育って何なのか。
キーティングは柔らかい笑顔とユーモア溢れる振る舞いで、熱く教えてくれる。

詩の定義が書かれたページを破り捨てさせたり、
机の上に立たせて違う景色を眺めさせたり、
庭をそれぞれのペースで行進させたり
…という型破りな授業が象徴するように、彼が生徒たちに一番教えたいのは、「他の誰でもない、自分の中にあるパッションを最も重視しろ」ということ。

詩にしても、そのシステムを“理解”するものじゃない、各々が自分自身の感覚で味わい、感動するものだと。
教育とは、自立を養うものだと。

本作の軸に、俳優志望のニールが厳格な父親との葛藤に苦悩する姿がある。
その結末は残酷にも世間の、人生の不条理を叩きつけるものだった…

クライマックスのラストシーンは何度観ても胸が揺さぶられる。
これはバッドエンドではないと思う。
キーティングの思いは生徒たち(特に内気で受け身がちなイーサン・ホーク演じるトッド)の心に響いたことが証明されたんだから、彼にとっては退職処分になろうが別に構わないだろう。
ただ、ニールに対する思いを想像すると胸が痛いけれど…。

ストーリーだけ聞くとありがちかもしれないけど、なんといっても美しい詩や名言を散りばめた脚本と、ロビンや生徒たちの瑞々しい演技が素晴らしく、我が子たちにも絶対観てほしい逸品。

(あぁロビン…(/ _ ; ))
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