イホウジン

ガメラ2 レギオン襲来のイホウジンのレビュー・感想・評価

ガメラ2 レギオン襲来(1996年製作の映画)
3.7
【レビュー2回目】
自衛隊礼賛の傾向強し

確かに常に緊張感の伴うスリリングな展開や分かりやすい戦闘シーンなど、観客を飽きさせない要素でてんこ盛りだ。そういう意味で昔の私は今作を「面白い」と思っていた。だが、今作の面白さは実は自衛隊の活躍にしかないということに今回の鑑賞で気付かされた。
瓦礫や地下鉄は、明らかに阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件での自衛隊のメタファーである。前作ではまだ虚構のものでしかなかった“日本の有事”がいよいよ現実のものとなった当時の空気を反映した映画とも解釈できるだろう。その状況下において、自衛隊の活躍を評価,賞賛する動きが起こるのはごく自然なことだ。今作はそれに乗っかった映画とも解釈することができる。(ある意味自衛隊の災害出動が当たり前のものとなった時代の“シン・ゴジラ”とは大きく異なる表現だ。)
ただ、今作はそこに比重が偏りすぎているという弱点もある。確かに視覚的なインパクトは見事だが、前作や次作のような思想的な味わい深さは薄めである。終盤に一応用意はされている(次作に向けたフラグにもなる)が、それ自体が映画の主題ないし裏テーマになるという訳でもなく、実は前作以上に娯楽性を重視した映画とも言えるだろう。

シン・ゴジラとの繋がりで考えると、自衛隊のリアルな攻撃は言わずもがな、正体不明の生物の生態が徐々に明らかになっていくプロセスが受け継がれている。特に今作の札幌での未知の生物が登場人物にも観客にも置いてけぼりに成長していく様は、そのままシン・ゴジラの“蒲田くん”パートにも反映されている。

【レビュー1回目】
個人的には平成ガメラシリーズで一番好き。
これまでの単純明快なストーリーを基盤にしつつも、大人向けのホラーシーンやある種の複雑な推理も合わさって、特撮好きでない人でも楽しめる一作となっている。
最終決戦はもっと市街戦でも良かったのではないか…?なぜあんな中途半端な場所で…?
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