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手紙のpaluのレビュー・感想・評価

手紙(2006年製作の映画)
3.9
原作が大好きで何回も読み返した小説。
東野圭吾の中では一番好きな作品。

原作がとても良かったから映画だとどうしても物足りなさを感じてしまった。
個人的には直貴の夢は小説のまま歌手にしてほしかった。どうして映画はお笑い芸人に変えたんだろう。。。
ラストの終わり方は慰問を決意した直貴が兄の前で歌うシーンで締めてほしかったのに。

そうは言ってもストーリーの素晴らしさは健在で、とにかく深い作品。

加害者家族の苦しみが切ない。

犯罪者の家族として差別され夢を閉ざされ理不尽な扱いを受けてきた直貴。
自分が犯罪を犯したわけでもないのに…
と、途中までは直貴が可哀想だとか同情目線でただ観ていた。

そんな中での直貴の職場の社長の言葉。
これが凄く衝撃だった。
「差別は当たり前。誰だって犯罪者とは距離を置きたい」
「きみの今の苦しみも全て含めてお兄さんが犯した罪なんだ」

罪を犯すって、お金を盗んだり、人を殺すことだけじゃない。自分の大切な人に「犯罪者の家族」というレッテルを与えてしまうことなんだ、と。

何年経ってもこのセリフと内容はずっとずっと残るだろう。
深いなぁ。。。
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