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パリ猫ディノの夜の3104のレビュー・感想・評価

パリ猫ディノの夜(2010年製作の映画)
4.1
飼い猫のディノは夜になると家を抜け出し闇に消える。その行先は、そしてディノが持つ「夜の顔」とは・・?

ハードボイルドというよりフィルム・ノワールタッチな作品。
アニメーションである特性を活かしつつ適度なリアリティも保ちつつ、70分という長くはない時間の中に必要要素をきちんと入れ込み、かつ駆け足にならない程度のスピーディーさで物語は疾走する。街の夜の暗さ、闇もきちんと表現されている。
「犯罪モノ」なのに誰も明確に死ぬ描写がなされていない、ある種のスマートさも◎。

なんといっても主猫公ディノの描写が巧み。
飼い主のゾエの懐に入り込む自然さと、ゴロゴロという喉鳴らしの音量の適切さに感心。そして猫の賢さと、賢い猫が持つ独特の所作や佇まいもきっちりと表現。作り手は猫のことをよく判っている。

トリュフォーの『あこがれ』での自転車疾走(とサドル)が印象に残るベルナデット・ラフォンが家政婦役として声の出演。
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