ryosuke

エルミタージュ幻想のryosukeのレビュー・感想・評価

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)
4.2
寝不足で見たが最後まで眠くならなかったのでソクーロフの眠さの秘訣?(特に「モレク神」と「牡牛座」)はフィルターと画面の暗さにあるようだ。
これだけの規模の作品をワンカットで撮影したとは信じがたい。カメラマンの労力を思うと頭が下がる。滑らかなカメラワークが美しい。編集が無いながらも、活発なダイアログのあるシーンと、唐突に静けさや緊張感に満たされるシーンが繰り返されることで、緩急がついている。
設定のアイディアも面白く、当然衣装や美術も豪華。ロシア史や美術史の素養があればもっと面白そう。
「ヨーロッパ」と別れ、過去の人々の歩みを追い越し、現代の人々が泳いでいくべきモノクロの海へと繋がっていくラストは幻想的で素晴らしい。
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