ゆず

フリージアのゆずのレビュー・感想・評価

フリージア(2006年製作の映画)
3.0
重大犯罪の被害者側による仇討ちが法律で認められている架空の日本が舞台のバイオレンス・アクション。

原作が青年コミックと知って納得したが、「敵討ち法」の設定が血生臭い。
被害者遺族が裁判所に申請すれば敵討ちの機会が認められる。敵討ちは遺族の代わりに3人の執行代理人が行う。対象となる犯人(対象者)は、警護人を2人まで雇うことができる。銃器の使用が認められる。対象者の自宅とその周辺が戦いのフィールドとなり、部外者は立ち入れない。
裁判所公認の人殺しであるので、部外者も協力しなければならない。フィールド内の住民はフィールドの外へと出て仇討ちの結果を見守ることになり、人の消えた町で執行代理人と対象者側が3対3で殺し合うという奇妙な風景が出来上がる。
さらに執行代理人や警護人を用意する執行代理人事務所なる仕事が存在し、突飛な世界観に説得力を与えているのが面白い。

主人公ヒロシ(玉山鉄二)は感情が希薄で、痛みを感じない。敵討ち中は冷徹に犯人を追い詰める執行代理人。何を考えてるかまったく分からないところが非常にやきもきさせるが、そういう役なので仕方ない。
ある日、トシオ(西島秀俊)を敵討ち対象とした任務に就き敵味方に分かれるが、ヒロシとトシオはかつての仲間であり、またヒロシを執行代理人にスカウトした代理人事務所のヒグチも、ヒロシとトシオとは過去に因縁があった。
3人の因縁は、15年前、ヒグチがまだ幼かった頃に起こった悲劇から始まっており、殺伐とした世界設定もあって暗い雰囲気が漂う映画だが、殺し合いとなるとそれなりに緊張感があった。



2/3 フリージア 録画
ゆず

ゆず