円柱野郎

るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 維新志士への鎮魂歌の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

TVアニメ版の延長にある作品だけど、劇場版用のオリジナルストーリーで90分に良く纏められている。
「るろうに剣心」のフォーマットなので舞台は明治維新後になるわけだけど、幕末の因縁が織りなす「何のために命を懸けて闘ったのか」というドラマになかなか重厚さを感じた。
何度も繰り返し映される抜刀斎と高槻巌達の戦いが因縁の軸として機能し、明治の時にあって、かつて立場は違えど未来を信じて人を斬った剣心と時雨滝魅のシンパシーを描きつつ、決着へ…となる。
仁義だなあ、目頭が熱くなった。

一方で分かりやすい悪役として加治木や月岡がいて、その辺はアニメ映画として軽く見られてしまう部分かもしれない。
(斉藤を出すための配役としては機能しているので、まあ。)
けど、その他に戊辰戦争という背景の取り込み方は上手いし、90分という時間でテンポよく心情もアクションも描けているわけで、その辺は時代劇としての完成度も高いのではないかと思うところ。
ただ、「青空はどこまでも高く澄んでいないといけない。」のセリフは何度も使われるとクサい。
あとオープニングのラルクが合っているのかは…ちょっと。

そして「るろうに剣心」の映画として作られている以上は、世界観や登場人物を知っている前提で作られているので、ゲストキャラ以外の説明はほとんどない。
その辺、やはりファンムービーになってしまっていると思う部分だけど、致し方ないかな。
円柱野郎

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