カス

恐怖分子のカスのレビュー・感想・評価

恐怖分子(1986年製作の映画)
5.0
久しぶりに卒シナの参考に鑑賞。
物語は完璧に頭に入ってる中みたのでカットの素晴らしさやショットの伏線回収の素晴らしさに感動。
そして銃声が響く中洗濯物をやめないおばあさんをうつすことにより台湾の現状を表現するなどの細かな表現にも感動。
決して交わることがないであろう2つのストーリーがある娘の小さな悪意により最悪の結末のストーリーへと混ざり合って行く。
全ての愛が異常な片道であったり彼女を美人局の道具にしたりと歪んでいる。
主人公(果たしてそう言い切れるかわからないが)の医者と奥さんとの生活は何も足りないものはないがなにか退屈し鬱屈としている。
この夫婦の関係性は運命かのように全てがズレあっていく。
だからこそ彼女は彼に全てを伝えたと言い切れる。
しかしそれはなにも伝えられてはいない。
ラストシーンの嘔吐は物語の氾濫であり彼女の中に宿った恐怖分子を象徴するつわりでもある。
なぜ彼女の中の受精卵が恐怖分子なのか。
それは新しく出来た旦那と自殺した元旦那どちらの精子が彼女に宿ったのかそこである。
物語は旦那が自殺したことにより終わったかのように思えるが彼女の物語はここから始まるとも言える。
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