COLORofCINEMA

恐怖分子のCOLORofCINEMAのネタバレレビュー・内容・結末

恐怖分子(1986年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

関わりのなかったもの(階層的にみても混じり合わない)が思わぬ形で関わることとなり、悲劇へじわりじわりと侵食していく怖さ。
それは2本の電話(シューアンの"イタズラ電話"とシャオチェンと彼女による"告げ口のような電話")によってもたらされる。

散りばめられた補色と白
●赤(暗室、電球に巻かれたセロファン、テールランプ、パトライト)と対をなす緑(シャオチェンの服、カーテンの色、警察署の窓や扉の枠)
●オレンジ(シューアンがいたずら電話をかける電話機の色、イーフェンとリーチョン夫婦の浴室、洗面台、病院の会議室←黄色に近い)と対をなす青(シューアンの家の部屋を覆う窓からの光)
●そして2人の女性
シューアンとイーフェンの着る白

映っているものの清廉さ。
本当に無駄なものが映りこまないように全てのシーンに目配せがきいている。
或いは偶然もたらされたものも中にはあるかもしれないが、もはや、そこに映しだされたものは映画作家としてのエドワード・ヤンが、持って生まれてきた誰にも真似のできない素養、資質、センスがあったとしか言いようのないことではないだろうか。
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