きよこ

恐怖分子のきよこのレビュー・感想・評価

恐怖分子(1986年製作の映画)
3.8
冒頭の薄曇りと光、カメラワークが絶妙。
ぐっと引きこまれた。
フラッシュバックする思考と視覚。
不快な音たち。耳障りだ。
映像の冗長さに戸惑う観客を嘲笑うかのように。
その隙間を淡々と丁寧に紡いでいく。

ラスト20分。
混乱から終息に向かう恐怖。
自己消化できず、焦燥感の恐怖。
分子が集結してくる恐怖。
静かに終わりを迎える。

自分の何気ない行動や言葉が、誰かの恐怖分子になりかねない。

ゾッとした。。。


見終わってから、後から後から沸き上がってくる余韻に浸る。
多くは語らない。なんとも退屈で美しくて難解な展開。

これが映画なんだと言いたいのか。

エドワード・ヤン監督の手腕に完敗。
きよこ

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