えびしお

恐怖分子のえびしおのネタバレレビュー・内容・結末

恐怖分子(1986年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

本来なら全く関係のない人々の人生がある時点でわずかに交差し、結果としてドミノ倒しのように1人の男がの人生が壊れる話。偶然なのか運命なのか。この男には知る由もないことだ。コントロールできないから恐ろしいのだ。
しかし、唯一コントロールできたのは男の心自身であるので、心を強く持っていればあの結末は回避できたはず。
仕事と家庭しか世界がなく、なんの楽しみもない俗物であることは命に関わる危険だ。趣味や夢が一つなのも危ないだろう。逃げ込める場所がなくては。

ノスタルジックな雰囲気の映像が美しく、この映画の淡々とした雰囲気に合っている。BGMがなかったり、相手の顔を映さず話している人間だけを映すような独特のカメラワークだったりが、この映画の登場人物が持つ孤独感を引き立てていた。