恐怖分子のネタバレレビュー・内容・結末

「恐怖分子」に投稿されたネタバレ・内容・結末

 

自宅で'86年の香港・台湾合作を、デジタル・リマスター版にて鑑賞。三組のカップルの運命が複雑に交錯し、不幸が産まれる物語。黒バックのスタッフロールから始まり、全編に亘り独特のリズムが展開を支配し、BGMが殆ど無い。登場人物を突き放した様な引きの映像が多く、電話のシーンが多い。個々のエピソードが積み重なり、三段論法の如くエピローグに集約されて行くが、本筋や主人公を絞り難く、誰目線で観るかによって印象が変わりえる。チロチロと舐める様に愉しむ古酒の様にじっくりと時間を掛け、鑑賞したい一作。60/100点。

・説明を排した様な作りは、破綻せずとも中途半端なシーケンスやシナプスから放り出された様な登場人物があり、中でも物語の核となるW.アン演じる混血の“シューアン”のその後が気になった。

・鑑賞日:2016年4月6日

 
ラストは妄想なんだと思うんだが、「わからないまま」だから妻を撃てなかったわけで。「わかっていたら」妻を撃っていただろうし、どちらにしても浮気相手の男は赦せなかった、と。

監督が真に思っていたことはわからないけども、映像しかりストーリーしかり、微妙なニュアンスでこちら側へ伝えてくるセンスはさすがだなと。
やはり、以前、観た事のある作品であった。やはり、エドワード-ヤンのタッチは面白い。
「クーリンチェ少年殺人事件」の雰囲気なんだなこれが。何とも言えないタッチである。謎が多いところ?繋がり具合?いくつかのストーリーを結びつける鍵となるものは謎なのだろうか?
謎のハーフの女の子の意味合いというのは?ラストに繋がったか、夢の中?
モンタージュの手法をうまく使っている。想像力を膨らませてくれる。
写真を撮る男がここにも現れる。事件の現場の写真というのは、緊張感が、最も高いレベルで繰り広げられるに違いない。まさに、それこそが一枚の写真の命に関わる部分である。
手法としての、色々の場面を繋ぎ合わせるのは、観る側に参加するという意識を持たせるのに有効である。だが、偶然が、わざとらしい印象になる場合も考えられる。現にこの作品にも、あった。
犯罪の意味合いをどう捕らえているかである。.....考えるという行為。
夢オチが好き

ショートカットの女、電話帳で殴りたい

今度真面目にレビュー書く
部長が撃たれるところが最高に心踊る……鏡やタイル、扇風機、本、写真の反復とモンタージュ的なカットの多さに疲れる。暗室に貼られた写真からタイル貼りの風呂、その洗面器の上の丸い鏡に顔を映す男は妻を撃とうとすると鏡に弾丸を命中させるとか、多分そういう細部的な連関があるのだろうけど、むしろあの部長を撃ち抜くときの用意のされてなさみたいなのがいい。『カップルズ』の銃声とは全然違う重い音で、これが何回も聞こえるのは確かに吐き気がする。爽快感がなくて。もちろん虚構内的にはつわりなのかもしれないが。
クーリンチェとセットで見たい。

女性に翻弄される不器用な男、
変えようとして変えられず、自らを追い込んでしまう。

やはり絵が綺麗。
雨の中のバスのシーン、風が吹き込むシーン。
うまく説明できないけどこの監督がつくる映像は好きだな。いい感じ。
雑然とした部屋、淡々とした会話、冒頭の銃声→サイレン→カーテンのゆれからヒリヒリした感じが伝わってくる。
日テレのアナザースカイで行定勲監督が、侯孝賢監督の「恋恋風塵」の信号機のシーンを挙げて、「何もセリフはないけど、映画になるとそれが意味をもつ」と言っていたのを思い出した。
自分にしてはめずらしく脚本より先に映像に引き込まれた作品。
何度も観たい。
 少女のいたずら電話きっかけで、女性小説家とその夫の医師、若いカメラマンとその恋人、刑事などが関係なかった人が絡み合っていく群像劇。

 冒頭、パトカーが走ってサイレンが鳴り響く中、いきなり倒れた死体が映って、ぬっと窓からあらわれる拳銃を持った手。というツカミからしてこの映画が傑作だとわからせてくれる最高のツカミでした。映画のモンタージュのお手本のようなカットが続いて最高でした。

 小説を書くのに苦戦している妻、病院の次期課長になりそうな夫。少女が母親に家に閉じ込められたのをきっかけに家でいたずら電話をかけるのをやっていたら、偶然、小説家にかけて、その体験をもとに小説家は作品を書き、それが賞をとったりする。

 妻目線旦那目線で見るか美人局として生きる少女の目線で見るかで感覚が変わってくると思いますが、旦那さん目線で見るといきなり奥さんから別れをきりだされて家を出ていってしまうのが怖かったです。奥さんのことを思ってはいるけど、彼女が書いている小説は読んではいなかったりしてあまり理解していない様子。

 追い詰められた旦那さんが取る行動は悲劇ですが、ある意味観客の気持ちの落としどころをつけてくれる展開でした。けれども実際は旦那さんがギリギリのところで踏みとどまって皮肉な結末のクライムサスペンスでした。
ここが見せ場だオラァ!っていう映画特有の押し付けがましさが一切ない。
というよりはそれが表に現れてこないだけなのかな?
終始淡々と、殺伐と進んでいくのにどこか不穏でとても静謐
誰かが言ってたけど正にモダンアートな群像劇映画でした

主要なのは大体以下4人
兵役を控えたお坊ちゃんカメラマン:不良少女に惹かれる
ハーフの不良少女:いたずら電話の主。美人局や殺しもお手の物
小説家の妻:生活に変化が欲しい。スランプ。不倫する
医師の夫:安定第1。友達を売るが結局昇進できず最後自殺

この一見交わらなさそうな3組がいたずら電話を通じてじわじわ交わっていくところに言い知れぬ狂気を感じましたとさ…人が多くいるはずの都市部なのに皆孤独でとても独りよがり。
知らない間に人を傷つけ、その責任もとらずに生きていることを暴かれたようでハッとする

エドワード・ヤンの現代に生きる人々や物事を鋭く捉えるセンスだけでなくて、夢という抽象的な題材を最後に用いた感性に脱帽
都市では殺人不倫自殺、成功すらも日常の瑣末な事象で泡沫の夢と消えるってことですか…

後は当時の台湾のゴミゴミした街並みが控え目に言って最高…ちょっと鄙びてて生活感漂う雰囲気に120点差し上げたい
無意識のうちにとった行動によって、誰しもが誰かの恐怖分子となり得る。しかしやるせないなあ...偶然って恐ろしい。